音大受験は中学生、高校生から準備を始めるものではありません。小学生のころからの積み重ねが大きく影響します。今回は私が娘を通して学んだ「音大受験に必要な準備」についてご紹介します。
「音大進学をするには何をいつまでに身に付ける必要があるのか」は保護者にほとんど知られていません。
長女が小4のころ、恩師からいただいた「今から一生懸命やれば、音大進学に間に合わなくはないわよ」と言う言葉。そのことについてシェアします。
私の恩師は、幼少期から「桐朋学園 子どものための音楽教室」で英才教育を受け、高校・大学も桐朋学園を卒業、その後は同音楽教室で長年指導に携わってこられた、まさに日本のトップレベルの音楽教育を体現されている先生でした。
小4になった頃
当時の進度は
ピアノ小曲集(1)修了
ピアノの練習ABC(指づくりや基礎技術を身に付ける教材) 修了
ピアノのテクニック
ツェルニー30番開始
ソナチネ開始
その一流の現場を知る恩師から見て、長女が小4でツェルニー30番やソナチネに入った頃の進度であっても、「ここからさらにかなりの努力が必要であり、本当にギリギリのスタートラインである」という評価だったのです。
ピアノの実技と並行して、聴音、ソルフェージュ、ワークブックでの楽典、も教えていただきました。

当教室でも使っている
1番はじめのテキスト
うたとピアノの絵本(右手)→(左手)→(両手)が終わったら、メトードローズの上下巻。メトードローズはかなり根性が必要ですが、カリキュラムが緻密なので私の娘たちは3人ともメトードローズを修了しました。

メトードローズ上・下巻
幼児向けとはいえ、
かなりの内容と量です
幸い、我が家はピアノ教室をしていたため、3人の娘たちは幼い頃からグランドピアノで練習できる環境がありました。毎日グランドピアノで練習し、本番もグランドピアノという環境は音色やタッチ、表現力を育てる上でとても良い環境だったと思います。良い音を毎日聴いて育ったことも良い音を聴く耳を育みました。

メトードローズが終わったら
ピアノのテクニック
ピアノの練習ABC
ピアノ小曲集1、orブルクミュラー25の練習曲
ここまでが長女が小4になった時に終えていたテキストです。
今思えば、先生が段階的にきっちりと隅々まで教え導いてくださっていたことがわかります。
この頃、先生に音大進学について触れられたのですが、私も娘も将来のことが漠然としていて、結局、音大進学を選びませんでした。
行きたい音大が決まったら、その音大の関係の先生に師事する必要があります。受験が近づいたら、東京までレッスンに通ったりもします。そして、楽典や聴音をそれぞれ専門の志望大学対策の出来る先生に習いに行きます。そういった道筋もつけなくてはいけません。
実は私のいとこが昔、音大受験をした際にも、東京藝大の先生から時々スポットレッスンを受けていました。もう40年以上も前の話ですが、当時は1レッスン1万円(当時の物価を考えると大変な金額です)。音大受験のシビアさと、求められる世界の高さを身近に感じた記憶があります。

ピアノのテクニック
ツェルニー30番
バッハ小プレリュードからインヴェンションへ
ソナチネアルバム
それでも、先生は将来何かの役に立つように、としっかりと教えてくださいました。ソナチネも小5で終わり、小6ではベートーヴェンのソナタを発表会で弾きました。

ピアノのテクニック
ツェルニー40番
ツェルニー50番
バッハシンフォニア
バッハ平均律クラヴィーア曲集
ソナタアルバム
ベートーヴェンソナタ集より初期のソナタ
音大を目指すなら少なくともこのような曲を学習しておく必要があります。
レッスンでは常に暗譜で仕上げをすることが習慣になり、コンクールに出ても入賞したり、学校でも合唱の伴奏をしたり、ピアノがとても役に立ちました。その後も高校生まで趣味として楽しく弾けるように教えていただきましたが、中学生の発表会で子犬のワルツ、悲愴ソナタ、高校生ではベートーヴェンのソナタなどを弾いていました。
当時と比べると、現在のお子さんを取り巻く環境は大きく変わりました。
- 学校生活
- 習いごと
- 家庭環境
なども考慮し、
現在は
- うたとピアノの絵本(右手)(左手)(両手)
- アキピアノ教本(1)~(3)
- ブルクミュラー
を中心に、必要な基礎をしっかり身に付けながら教材を精選し、効率よく進めるカリキュラムにしています。
長女は結局、音楽の道には進みませんでしたが、いつでも楽譜を見れば自分で弾けるし、暗譜もサッと出来ます。大学生の時も、BGMで流れたドビュッシーのアラベスク第2番に興味を持ち、自力で仕上げていました。今でも、クラシックに限らず音楽は大好きでいてくれることが良かったと思います。
長女が小4の時、音大進学を目指していたら、私たち家族はまた違う人生だったと思いますが、私としては娘を恩師に教えていただいたことで、音大を目指すスタートラインが小学生の頃であること、これくらいのレヴェルが必要なのだ、という良い学びになりました。
音大を目指す可能性が少しでもあるなら、小学生のうちから相談していただく事をおすすめします。
参考になれば幸いです。
当教室では、音大進学だけを目的としたレッスンではなく、将来どのような道を選んでも困らない確かな基礎を育てることを大切にしています。音楽の道を目指す可能性があるお子さまも、趣味として長く楽しみたいお子さまも、一人ひとりの目標に合わせてレッスンを行っています。
